組紐について
数ある日本の伝統文化の中で、一番古い歴史を持ち
工芸品の中でも最も雅で華麗な組紐。
日本の伝統工芸と言えば京都というイメージがありますが
実は博多が発祥であり、組紐伝承の地でもあります。
黒田藩の百姓、甚兵衛により博多湾志賀島で拾われた
「漢委奴国」の金印の鈕(つまみの穴)に通されていたものが組紐で
二百年ほど後、数々の銅鏡が渡米し、その全てに組紐がついていたことは
魏志倭人伝にも掲載されています。
奈良時代の紐は、正倉院に現在の型がほとんど保存されています。
平安時代になると、貴族の特権階級の装身具
有職紐としてもてはやされ、鎌倉時代に入り武具として使用されました。
江戸時代には帯巾の変遷と共に布で出来た帯〆が必要となり
明治以降それまで1000年近い年月をかけて生まれた
手先の技の工芸品から「製紐機」に生まれ変わり
あっという間に機械化され安価で大量生産となり
産業用から生活の場にまで進出してきました。
帯締めとしての価値は和装美の着付けの重要な仕上げであり、
着物姿の調和においてもおしゃれの最大のポイントとなります。
手組の組紐は作家の手のぬくもりと、一目づつ組んでいく美しさ
締める度に目が締まり、つやを出し続けるという魅力があります。
当サロンでは、古来から伝わる帯締めとしての組紐をはじめ
現代の生活でも使っていただけるような組紐の作品を
提案していきたいと思っております。